施工管理を検討している女性にとって、仕事内容よりも先に気になるのは働ける環境かどうかです。長く男性中心だった業界であり、現場の設備や周囲の反応に不安を持つのは当然です。この記事では、女性の施工管理が実際に増えているのかを確認し、変わった部分とまだ残っている課題を分けて説明します。安心させるための記事ではなく、判断の材料を渡すための記事です。
増えているのは事実です
建設業で働く女性の数は増えており、施工管理の職種でも同じ傾向が続いています。求人票に女性の活躍を示す記載が並ぶようになり、女性の技術者を対象にした採用枠を設ける会社も出てきました。
背景にあるのは人手不足です。国土交通省が公表している監理技術者資格者証の保有者の年齢構成では、60歳以上が34.9%、29歳以下は1.1%です。現場を仕切る層が抜けていく一方で、下から入る層が足りていません。厚生労働省の職業安定業務統計では、建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は4.85倍です。この状況で、これまで採用の対象から外れがちだった層に目を向けるのは自然な流れです。
現場の設備は変わってきました
かつて指摘されていた問題の多くは、設備の面から改善が進んでいます。女性用の仮設トイレや更衣室の設置は、大きな現場では標準になりつつあります。作業着や安全靴も体格に合わせた種類が用意されるようになりました。
こうした整備が進んだのは、会社が善意で取り組んだからというより、人を採るために必要になったからです。設備が整っていない現場には人が来ません。理由が経営上の必要である分、後戻りしにくい変化だと言えます。
仕事の中身は性別で変わりません
施工管理の仕事は、工程と品質と安全と原価を管理して現場を回すことです。自分で重い物を運ぶ仕事ではないため、力の差が評価につながる場面はほとんどありません。
現場で求められるのは、段取りを組む力と、決まりごとを守らせる力です。相手が年上の職人でも、駄目なものは駄目だと伝える必要があります。この点に不安を持つ人は多いのですが、性別よりも、根拠を持って伝えられるかどうかで結果が変わります。図面と決まりを根拠に話す限り、話は通ります。
課題が残っているのは働き方の側です
一方で、まだ残っている課題もあります。現場によって勤務地が変わること、朝が早いこと、工程の終盤に忙しくなること。これらは性別に関係なく発生しますが、生活との両立を考えるときに影響が大きくなります。
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。労働時間の上限は定まりましたが、勤務地が動く性質そのものは変わりません。出産や育児の時期にどう働くかについては、会社ごとの制度と実績に差があるのが実情です。制度があることと、実際に使われていることは別なので、両方を確認する必要があります。
続けている人が確かめていたこと
長く続けている人が入社前に確認している内容を挙げます。
- 女性の技術者が実際に在籍しているか、何人いるか
- 育児休業から復帰した人が現場に戻っているか
- 現場の設備について、会社としての方針があるか
- 勤務地の範囲がどこまでか、転居を伴う異動があるか
このうち二つ目が最も実態を表します。制度の有無ではなく、使って戻ってきた人がいるかどうかを聞いてください。答えられない場合、その会社では前例がないということです。
応募前に確かめること
女性が施工管理として働ける環境かどうかは、業界全体では答えが出ません。会社ごとの差が大きい段階にあります。
判断の順番としては、まず仕事内容が自分に合うかを確かめ、次に会社ごとの実績を確認します。求人票の記載よりも、在籍している人の状況のほうが確実な情報です。入り方の違いによっても環境は変わるため、応募先を決める前に比べておいてください。
施工管理を選ぶかどうかは、入り方を知ってから決める
施工管理は、どの会社のどのルートから入るかで最初の数年がまったく変わります。同じ未経験入社でも、任される現場、教育の手厚さ、年収の上がり方に差が出ます。先に入り方の違いを並べて見ておくと、求人票の読み方が変わります。
施工管理のなり方比較で、未経験から入る4つのルートを比較する
(AI逃げ切りナビ編集部)