読者
ぽんこつ先輩
「整体師 やめとけ」で検索しているということは、なりたい気持ちはあるけど、怖くて決められない状態ですよね。
その気持ち、すごくわかります。ネットで調べても「低年収」「飽和」「廃業率95%」という言葉が並んでいて、踏み出す勇気がなくなってくる。
ただ、こういう記事の多くが「やめとけ理由を並べておいて、最後に”でもやりがいありますよ”で終わる」というパターンなんですよね。それだと何も判断できない。
だからこの記事では、ごまかさずに両方出します。「やめとけ理由7つ」を具体的な数字つきで、かつ「廃業95%の出典は実は存在しない」という事実も含めて、正直に全部書きます。その上で、飽和市場でも食えている人の共通点3軸を整理します。
この記事の結論(時間ない人向け)
- 「やめとけ」は半分本当 — 雇用の初年度は月15〜20万の地獄があるのは事実。飽和も本物で、2025年上半期のマッサージ業倒産は55件・過去20年で最多(東京商工リサーチ)
- 「廃業率95%」は出典不明の業界通説 — 1年以内30%・3年以内50〜60%という数字も業界関係者の肌感覚(公式統計はない)。確実なのは2025年上半期倒産55件(東京商工リサーチ)だけ。それでも十分シビアだが、95%で全否定するのは誤解
- 「やめとけ」が当てはまるのは主に1パターン — 技術だけ磨いて集客を学ばず開業した人。逆に言えば、集客・専門特化・リピート設計を学んだ人が生き残る
- 向いてる人・向いてない人は明確に分かれる — この記事のチェックリストで確認できます
- 整体師はゴールではなく入口 — 「3階段」の1階として位置づけると、リスクの見え方が変わる
下に「やめとけ7理由の各論」「廃業率の真実」「食える5%の共通点」を順に並べています。自分の状況に合う部分を拾い読みしてください。
まず知るべき数字——2025年上半期、マッサージ業倒産55件は「過去20年で最多」
「整体師やめとけ」という声が増えているのは、気のせいじゃありません。数字に出ています。
東京商工リサーチの調査によると、2025年1〜6月のマッサージ業倒産は55件。前年同期比+17%で、過去20年の上半期では最多です。
⚠️ 2025年マッサージ業の倒産データ(東京商工リサーチ)
- 2025年1〜6月の倒産件数
- 55件(前年同期比+17%)。過去20年の上半期で最多
- 倒産の主因
- 売上不振83.6%。競合過多・集客不足が圧倒的
- 規模の特徴
- 98.1%が小零細(従業員数名以下の個人・小規模院)
出典:東京商工リサーチ(2025年上半期マッサージ業倒産調査・一次情報)
倒産の原因で注目すべきは「売上不振83.6%」という数字です。技術が悪くて廃業したわけじゃない。お客さんが来なくて廃業している。これが現実です。
施術所の数は全国で約14〜14.5万カ所(あん摩・マッサージ・はり・きゅう・柔道整復の合計)。コンビニは約5.5〜6万店なので、その2〜2.5倍あります。
ぶっちゃけ、これだけで「やめとけ」と言いたくなる気持ちはわかります。でも、飽和市場でも繁盛しているサロンは確実に存在します。その差が何かを、次のセクション以降で順を追って説明します。
整体師「やめとけ」と言われる7つの理由——各論と数字
L1の整体師ガイドでは「やめとけ7理由」を概観しました(整体師の全体ガイドはこちら)。この記事ではその各論を、具体的な数字とともに一段深く掘り下げます。
① 雇用での年収が低い——「初任月15〜20万」という地獄の1〜2年目
整体師の雇用形態での年収は、決して高くありません。
💰 整体師の年収・給与の実態(雇用形態別)
- 正社員平均年収
- 389〜443万円(HPBワーク・wellness-job調査)。求人ボックス2026年調査では正社員平均428万円
- 全業種平均との差
- 全業種平均約460万円と比較して約17〜70万円低い(調査年の違いがあるため概算比較)
- 入社1〜2年目の初任給
- 月15〜20万円が一般的。業務委託契約の場合は月10万円以下も
- 時給換算
- 約1,190〜1,225円(求人ボックス2026)。地域最低賃金より1〜2割高い程度
※年収データは業界調査・求人集計ベース。独立後の年収は後述の通り別の話
雇用で働くと1〜2年目は特につらい。月15万円で手取りが12〜13万円という現実があります。学校を出て、または他業種から転職してこれだと「なんのためにここに来たんだろう」と思う人が出てくるのは無理もない。
ただ、「雇用での低年収」と「独立したときの年収」は全くの別物です。独立して集客ができるようになると、年収の話がまったく変わってきます。これは後半の「食える人の共通点」のセクションで詳しく書きます。
② 体力・職業病——腱鞘炎リスクはベテランほど高い
手技職の宿命として、自分の体が道具になります。
🩺 整体師の主な職業リスク(整体師自身の健康問題)
- 腱鞘炎・手指の痛み——最深刻。ベテランほど罹患しやすく、施術スタイルによっては10年以内に強制引退になるケースも
- 腰痛・腰椎疲労——前傾姿勢での長時間施術が蓄積。タイ古式・アロマ(マット系)が特に腰への負担が大きい
- 腕のしびれ・頸椎問題——肩こりをほぐす施術で自分の腕が酷使される逆転現象
- 肌荒れ・接触性皮膚炎——オイル・クリームによるアレルギー(アロマ・エステ系に多い)
- 膝蓋軟骨軟化——立ち仕事・中腰の繰り返しによる膝の疲弊
※罹患率の公式統計はなし。業界で広く認識されている実態として記載。深刻度は施術スタイル・件数・フォームにより個人差あり
腱鞘炎が最も怖いのは、「なってから治す」のが難しいからです。フォームの改善・1日の施術件数の上限設定・セルフケアの習慣化で予防できますが、これを「開業してから考える」では遅い場合があります。
1日の件数についていえば、9時〜21時の12時間営業・実働8時間が業界の標準的なシフトです。1日5〜8件の施術をこなし続けると、体は確実に消耗します。
③ 飽和・集客難——施術所はコンビニの2倍以上ある
「整体師が多すぎる」という問題は、数字を見ると深刻さがわかります。
柔道整復師の数だけで見ても、2010年の約5万人から2020年には75,786人へ、10年で約50%増えています(厚労省・衛生行政報告例)。整体師(民間資格・無資格含む)を加えると実態はさらに多い。新規参入が容易な業界のため、供給は増え続けています。
一方で需要はどうか。高齢化でのメンテナンス需要は増えています。ただ、「誰もが必ず行く」という性質ではないし、景気変動で真っ先に削られやすいのも「整体・リラクゼーション費用」です。
ぽんこつ先輩
④ 国家資格でない弱み——「今日から始められる」の裏側
整体師が国家資格でないことには、よく知られた「弱み」と、あまり語られない「強み」の両面があります。
❌ 国家資格でない弱み
- 健康保険が使えない(自費100%)
- 「マッサージ」という言葉を業として使うと違法の可能性あり(あん摩マッサージ指圧師法)
- 社会的信用・権威性が国家資格者より低い
- 業務独占がないため、ライバルが増え続ける
✅ 誤解されやすい「強み」の側面
- 自費100% = 保険請求の不正リスクがゼロ(柔整師の廃業原因の一つを回避)
- 参入しやすい = 今日から業界に入れる
- 民間資格の多様化 = 専門特化で差別化しやすい(産後骨盤・スポーツ等)
「国家資格があれば食える」という思い込みもあります。実際には、国家資格者の柔道整復師も飽和・廃業問題は同じように起きています。資格より「集客力があるか」が食えるかどうかを左右します。
⑤ 業務委託の罠——歩合40%の手取りを試算すると?
整体院の求人でよく出てくる「業務委託・歩合制」は、雇用と見た目が似ていても、中身が全然違います。ここを知らずに入ると後悔します。
⚠️ 業務委託(歩合制)の実態——正社員との違い
- 歩合率の相場
- 売上の40〜50%。60分5,000円のコースなら手取り2,000〜2,500円
- 社会保険
- 加入不可(個人事業主扱い)。国民健康保険+国民年金を全額自己負担
- 最低賃金法
- 適用外。働いた時間が多くても保証なし
- 傷病手当・有給休暇
- なし。自分が施術できない期間は収入ゼロ
試算をしてみます(あくまで試算例として)。
月25日稼働・1日8時間・60分5,000円・歩合40%・1時間に1.5人を施術とした場合、収入の上限は「25日×8時間×1.5人×5,000円×40%=60万円」。ただし、実際の稼働率は新人だと30〜50%程度になりがちなので、実収は20〜30万円。そこから国民健康保険と国民年金(合わせて月3〜5万円前後)を引くと、手取りは15〜25万円に落ちる計算になります(試算例であり、実際の収入は稼働率・院の立地・来客数によって大きく異なります)。
面接の場で「雇用形態は正社員か業務委託か」「社会保険はどちらが支払うか」を確認することは、整体師に限らず重要です。
⑥ 長時間・平日休みが多い
多くの整体院・リラクゼーションサロンの営業時間は9〜21時(12時間)。シフトは実働8時間程度で、月休6〜8日が標準的。かつ、顧客が来やすい土日祝は出勤必須になるため、休みは平日が多くなります。
「子供の学校行事と合わない」「土日に家族と過ごせない」という問題が出やすいです。ただし、独立・自宅サロンの場合は自分でスケジュールを設定できるため、この問題は解消できます。
⑦ 独立後の廃業率——「95%」という数字の真実
「整体師の廃業率は95%」という数字がネット上に出回っています。衝撃的な数字ですが、実はこの数字の出典となる公式統計が確認されていません。
📊 廃業率についての確度別まとめ
- 「廃業率95%」「96%」
- 出典不明の業界通説。複数サイトが「とされています」として引用しているが、一次情報(政府・業界団体の公式統計)は確認されていない
- 1年以内に廃業30%
- 業界関係者の肌感覚として語られる数字(公式統計はない)
- 3年以内に廃業50〜60%
- 同上。業界関係者の肌感覚として語られる数字(公式統計はない)
- 中小企業白書(全業種)5年生存率
- 80.7%。整体・サロン業の生存率はこれより低いとみられる
- 一次情報として確実な数字
- 2025年上半期マッサージ業倒産55件・前年同期比+17%(東京商工リサーチ)
要するに、「廃業率95%は全員アウト」ではない。でも「3年以内に半数以上が廃業する業界」というのは事実に近い。これは厳しい現実です。
廃業した整体師に多い共通パターンは、業界の観察から整理すると5つになります。
❌ 廃業した整体師に多い5つのパターン
- 集客の知識がゼロで開業した — Googleビジネスプロフィールの設定もせず、「口コミが来るのを待っていた」
- リピートの仕組みを作っていなかった — 来店のたびに「次はいつ来ますか?」と聞かない。LINE登録を促していない
- 立地選定を失敗した — 家賃の安さで選んだ物件が、人通りも需要もない場所だった
- 見込み客ゼロで開業した — 独立前に「この人は絶対来てくれる」という顧客が誰もいなかった
- 運転資金が3〜6ヶ月分なかった — 売上が出るまでの期間を乗り越えられなかった
この5パターンは、すべて「技術の問題」ではありません。経営と集客の問題です。僕が見てきた中では、廃業した整体師の多くが「技術への自信はあった」と話していました。だからこそ、「集客を学んだ人は廃業しにくい」という逆の結論も成立します。
「やめとけ」が当てはまらないケース——よくある誤解を解消する
7つの「やめとけ理由」を全部出しました。でも、「やめとけ」が当てはまる人・当てはまらない人は、実はけっこう明確に分かれています。
🔍 「やめとけ」の誤解と正確な理解
- ❌「国家資格がないから食えない」
- → 国家資格者(柔道整復師など)も飽和・廃業は同じく起きている。資格より集客力
- ❌「廃業率95%だから全員アウト」
- → 出典不明の通説。実態は「3年以内に半数が廃業」。厳しいが95%は過剰表現の可能性が高い
- ❌「体がボロボロになる仕事」
- → 腱鞘炎リスクは本物。ただし、フォームの習慣化・1日の件数制限・セルフケアで予防できる部分も多い
- ❌「稼げない仕事」
- → 雇用は低いが、独立して集客できれば年収の幅は大きく変わる。「雇用の低年収」と「独立の可能性」を混同しないこと
- ❌「長時間労働が当たり前」
- → 雇用は院の営業時間に縛られる。ただし独立・自宅サロンなら自分で設定できる
- ❌「AIに代替される」
- → 触覚フィードバック・指名・場の共感はロボットが最も苦手な領域。現状のAIマッサージロボットはパターン施術しかできない
ぽんこつ先輩
それでも食えている人の共通点——3つの軸
飽和した市場で、倒産が増え続ける業界で、それでも繁盛しているサロンはあります。その差は何か。
人材業界で整体師・セラピストの転職や独立の相談を数多く受けてきた経験から、外側の目線で整理すると、食えている整体師には3つの共通軸があります。整体開業の専門家ではなく、キャリア相談で見てきたパターンとして読んでください。
軸1:集客を「技術と同等以上」に学んでいる
食えている整体師の共通点で最も大きいのが、これです。技術習得と集客学習を同じ比重で進めている。
✅ 食えている整体師が使っている集客チャネル
- Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)——「整体 ○○市」で地域検索したとき上位に出るための基本。無料で設定できる。サボると存在を知られない
- Instagram専門特化アカウント——「産後骨盤矯正専門のInstagramアカウント」が6万フォロワーに到達した事例あり(個別事例・一般的な水準ではありません)。施術前後の写真・解説動画がフォロワーを集める
- LINE公式アカウント——来店客をLINEに誘導してリピート通知を送る。既存顧客の再来を促しやすくなる仕組みとして多くの院が導入している
- 開業前に見込み客20〜30人確保——独立する前に「この人たちなら必ず来てくれる」という関係を作っておく。オープン当日から売上がある状態を作る
「技術があれば口コミが広がる」は、雑貨店があれば人が来るくらいの発想です。それだけで繁盛するケースもゼロではないですが、待ち続けた結果が「売上不振83.6%による廃業」という数字につながっています。
軸2:専門特化で「何屋か」が明確
「何でもできる整体師」より、「産後ママの骨盤専門」の方が選ばれます。
理由は単純で、悩みを持っている人は「私の悩みを専門に扱っている人」に行きたいからです。腰痛で悩んでいる人は「腰痛専門の整体師」を探す。産後の骨盤が気になるお母さんは「産後骨盤矯正専門」に予約する。
💡 専門特化による差別化の実例(業界推計・事例ベース)
- 産後骨盤矯正特化 — 都内で開業1年で月商100万円に到達した例あり。「産後ママ向け」に絞ることで紹介が紹介を呼ぶサイクルが生まれやすい
- スポーツ・アスリート特化 — スポーツ特化院での年収1,500万超の事例あり(業界推計)。「サッカー選手専門」「マラソンランナー向け」など種目を絞るほど口コミが集まる
- 年収1,000万を超えた独立整体師の多く — 「何でもできます」ではなく「○○の専門院」として認知されているケースが多い
※いずれも個別の成功例で、一般的な水準ではありません。公式統計の裏付けのある数字ではありません
「専門特化したら顧客が減るんじゃないか」と心配する人もいます。でも実際には逆で、特化した方が「刺さる人」への訴求力が上がるため、紹介・口コミが増えやすくなります。
軸3:リピート設計を仕組み化している
整体院のビジネスモデルで最も大事なKPIは「リピート率」です。新規顧客を獲得するコストより、既存顧客にリピートしてもらうコストの方がはるかに低い。
食えている整体師がやっていることは地味ですが、確実に効果があります。
🔄 リピートを作る仕組みの具体例
- 施術終了時に次回を提案する — 「次は2週間後を目安に来ると、今日の効果が定着しやすいですよ」と声をかける。これだけで再来率が変わる
- LINE公式に誘導してリマインドを送る — 「前回から3週間経ちますね」の一言通知で再来を促す
- 回数券・定期メニューの設計 — 単発より回数券を買った方がお得な仕組みを作り、通い続けてもらう設計
- 施術後カルテのメモを活かした接客 — 「先月おっしゃっていた肩の件、その後どうですか?」という記憶の継続が指名につながる
ぽんこつ先輩
向いてる人・やめた方がいい人——チェックリスト
ここまで読んでも「自分がどっちか」が判断できない人のために、チェックリストを作りました。
✅ 向いている人(当てはまるほど整体師向き)
- 人の話を聞くことが苦痛でない
- 自分のペースで働きたい(予約制・個人事業)
- 将来的に独立・自分のサロンを持ちたい
- SNSや発信を地道に続けられる
- 「経営を学ぶ」ことに興味がある
- 副業スタートで試してから本業にする計画がある
- 体のメンテナンスや健康に元々興味がある
- 土日休みにこだわらない(または独立を前提にしている)
❌ やめた方がいい人(複数当てはまる場合は要検討)
- 「技術を磨けば黙っていてもお客さんが来る」と思っている
- 集客・SNS・マーケティングを一切学ぶ気がない
- 初年度から高収入が絶対に必要(副業スタートが難しい)
- 腰・手首・指に慢性的な疾患がある
- 独立・開業にまったく興味がない(永遠に雇用で働く前提)
- 土日に家族と休むことが絶対条件(雇用形態では難しい)
「やめた方がいい人」の項目が複数当てはまるなら、本当に一度立ち止まって考えてほしいです。1〜2個だけなら、回避策がある場合が多い。「初年度から高収入が必要」なら在職中副業スタートで解決できる。「土日休み必須」なら独立・自宅サロンで解決できる。当てはまる数が多いほど、入り方を慎重に考える必要があります。
よくある質問
ぽんこつ先輩
Q. 整体師として就職してから独立するのは現実的ですか?
現実的です。むしろ「整体院に就職してから独立」というルートが最もリスクが低い。雇用期間中に技術を磨きつつ、顧客との信頼関係を積み、並行して集客・経営の勉強をする。独立前に「見込み客20〜30人」を確保できれば、開業初月から売上を立てやすくなります。整体院で1〜3年間働いた後に独立するというキャリアパスは、業界でよく見られます。
Q. 整体師は副業でも始められますか?
始められます。通信講座で民間資格を取得し、週末だけ自宅やレンタルサロンで施術するという副業スタイルは実際に多くいます。初期費用はレンタルサロンを使えば10万円前後から始められます。本業の収入を保ちながら経験を積み、「月3〜5万円を副業で稼げるようになった」段階で本業にするかどうかを判断する——この順番が一番リスクが低いです。
Q. 廃業率95%は本当ですか?
この記事でも詳しく書きましたが、95%という数字の出典となる公式統計は確認されていません。業界通説として広まっている数字ですが、複数のブログが「〜とされています」として引用しているだけで、一次情報は見当たりません。より確度の高い数字としては「3年以内に約半数が廃業」という認識が業界では広まっています。ただし、それでも十分シビアな業界です。
Q. AIに整体師は代替されますか?
現状では整体師はAIに代替しにくい職業の一つです。AIマッサージロボットは存在しますが、「筋肉の硬さを指先で読み取り、その人の今日の状態に合わせて圧力を変える」という動的な判断はロボットが最も苦手な領域です。何より「あの人に触れてほしい」という指名需要はAIには代替できません。ただし「AI時代だから絶対安全」とも断言できません。長期的には技術革新の動向に注意しながら、専門性・指名力・人間関係構築で差別化し続けることが大切です。
Q. 整体師として独立するのに、最低限どのくらいの資金が必要ですか?
自宅サロンの場合、施術ベッド・タオル類・照明・消耗品などで初期費用は10〜30万円程度が目安です。テナントを借りる場合は敷金・礼金・内装費で100〜300万円以上かかります。運転資金として最低3〜6ヶ月分の生活費を確保しておくことが業界では強く推奨されています。売上が出るまでに時間がかかるのが普通なので、資金が底をついて廃業するパターンを防ぐためです。
Q. 整体師からさらに上のキャリアを目指すとしたら?
「整体師→鍼灸師→独立」という3階段キャリアが一つの王道です。整体師として業界感覚・集客力・顧客基盤を作りながら、鍼灸師(はり師・きゅう師)の専門学校(3年)に通い国家資格を取得する。鍼灸師になると業務独占が生まれるため、独立後の年収幅が変わります。詳しくは整体師の全体ガイドでルートを図解しています。
迷っているなら「まず整体師から」——3階段の考え方
「やめとけ」で検索して、ここまで読んだということは、整体師への興味がまだ残っているのかもしれません。
整体師をゴールとして考えると「廃業率が高い」「低年収」という話が怖く見える。でも、整体師を「3階段の1階」として考えると、見え方が変わります。
🪜 癒し・手技職の3階段(整体師は1階・入口)
-
1階:整体師・リラクゼーションセラピスト(今日から動ける)
通信講座最安4万円台・最短3週間〜2ヶ月。まず業界に入ることを優先する。副業スタートも可能。
→ 年収目安:雇用350〜400万・独立後は集客力次第で幅あり -
2階:民間検定で武器化(アロマ・産後骨盤・スポーツ系)
整体単体より「産後骨盤矯正+アロマ」の方が差別化できる。費用・期間はスクールによって異なる。
→ 年収目安:独立なら500〜700万(特化次第) -
3階:国家資格(鍼灸師・あん摩・柔道整復師)
3年間の養成校+国家試験。費用は300〜500万円かかるが、業務独占が生まれる。
→ 年収目安:独立成功例で700〜1,000万超(業界推計・事例ベース)
1階で「やっぱり整体師は向いていなかった」とわかれば、損失は通信講座費用の4〜10万円と数ヶ月の時間だけです。でも「向いていた」とわかれば、2階・3階へのルートが見えてきます。
整体師の全体像・3階段のルート・16職種マップについては、親記事の整体師ガイドで詳しく解説しています(下のボックスからどうぞ)。
📖 整体師の全体像・3階段・16職種マップはこちら
まとめ——「やめとけ」を知った上で、それでも動くかどうか
「整体師はやめとけ」について、正直に全部書きました。
📌 この記事の3行まとめ
- 「やめとけ」は半分本当 — 初任低年収・飽和・廃業リスクは本物。2025年上半期倒産55件は過去最多
- ただし「廃業率95%」は出典不明の通説 — 現実は3年以内50〜60%廃業。集客を学んだ人はこのリスクを大きく下げられる
- 食える5%の共通点は3つ — 集客を技術と同等に学ぶ・専門特化・リピート設計。すべて技術より「経営と集客」の問題
「やめとけ」という声を知った上で、それでも「一回やってみよう」と思えるかどうか。それが判断の基準だと思います。
「怖い」と感じているうちは、まだ間に合います。本当にヤバいのは、何も感じないまま何もしないことです。
🗓️ やるかどうかはあなた次第——決めるための材料整理
- 今日中にできること:地元の整体院を1件予約して「される側」を体験する。施術を受けた後に「この仕事、やってみたいか」を確かめるだけでよい
- 今週中にできること:通信講座の公式サイトを複数社分比べてみる。費用・期間・取れる資格・サポート有無を確認してみる
- 1〜3ヶ月で検討できること:副業スタートを視野に、通信講座か民間スクールの体験講座を検討してみる。まず試してみてから本業にするかを判断する順番でよい
- 6ヶ月の目安:民間資格を取り、副業で「月3〜5万円」を稼げるようになったら、本格的に続けるかどうかを改めて判断する
ぽんこつ先輩
