施工管理の求人を調べると、平均年収の高さが目に入ります。同時に、未経験で入った自分がその額をもらえるとは思えないという疑いも残ります。この疑いは正しい反応です。求人票と平均額はどちらも本当のことを言っていますが、指している対象が違います。この記事では、公表されている平均額が何を指しているのかを整理し、未経験で入った場合に収入がどう動くのかを年数ごとに見ていきます。
650万円という数字はどこから来ているのか
民間の求人データでは、施工管理の平均年収は650万円を超えています。ただしこの平均には、現場を何本も任されている経験者や、管理職の立場にある人が含まれています。未経験で入った一年目の人も、二十年目の人も、同じ母集団に入った結果としての平均です。
平均額を見るときは、その中に誰が入っているかを必ず確認してください。経験者を含む平均であることを踏まえると、未経験の一年目からその額が出るわけではないという結論になります。逆に言えば、経験を積んだ先の到達点として、この水準が現実に存在しているということでもあります。
未経験の1年目は、平均より低いところから始まります
未経験で入る場合、最初の年は補助の立場から始まります。先輩について現場に入り、図面の読み方、写真の撮り方、記録の作り方を覚える期間です。この間は一人で現場を回していないため、収入も入社時の基本的な条件が中心になります。
前職の収入によっては、一時的に下がることもあります。ここで判断を止めてしまう人は多いのですが、比べるべきなのは入社時の額ではありません。数年後にどこへ届くかで比べる必要があります。
2年目から3年目に、任される範囲が変わります
一人で現場を持てるようになると、立場が変わります。担当する現場の規模が上がり、判断を任される範囲が広がります。この段階で、現場の手当や役割に応じた支給が加わるのが一般的です。
収入の動きよりも先に変わるのは、仕事の中身です。指示されたことをこなす立場から、段取りを決める立場に移ります。この移行がどれだけ早いかは、会社によって差が出ます。現場の数が多く、若いうちから任せる方針の会社では早く、じっくり育てる方針の会社では遅くなります。どちらが良いかは、自分がどれだけの速さで立場を上げたいかで変わります。
資格を取ると、上がり方が変わります
施工管理の収入に最も影響するのは資格です。施工管理技士の資格を持っていると、現場に配置できる立場が変わるため、会社にとっての価値が上がります。資格手当の形で支給に反映される会社も多くあります。
資格は実務経験の年数が受験の条件になるため、入社前に取ることはできません。入社後に経験を積みながら取る順番になります。多くの会社が受験費用や講習の支援制度を持っているのは、資格保有者を増やす必要があるからです。制度の有無は入社前に確認できるので、応募先を比べるときの材料にしてください。
5年目でどこに立っているか
入社から5年前後で、複数の現場を経験し、資格を取り、自分の判断で現場を回している状態が一つの目安になります。この段階に届くと、求人票に並ぶ経験者向けの条件が自分に当てはまるようになります。転職市場での立ち位置も変わり、条件を選べる側に回ります。
ここまでの流れを見ると、平均年収の数字は入り口の話ではなく、数年かけて近づいていく目標だと分かります。急がずに、資格と任される範囲を順番に積み上げるのが最短の道になります。
求人票の年収欄を読むときの注意点
最後に、求人票の読み方を挙げておきます。
- 提示額に固定残業代が含まれているか。含まれる場合、その時間数はいくつか
- 現場手当や出張手当が、どの条件で付くのか
- 賞与が業績連動か固定か、過去の支給実績があるか
- 資格手当の金額と、支援制度の中身
同じ提示額でも、この四つの中身によって手元に残る額と働く時間が変わります。数字だけを横に並べても比較にはなりません。応募先を絞る前に、入り方ごとの違いを確かめておいてください。
施工管理を選ぶかどうかは、入り方を知ってから決める
施工管理は、どの会社のどのルートから入るかで最初の数年がまったく変わります。同じ未経験入社でも、任される現場、教育の手厚さ、年収の上がり方に差が出ます。先に入り方の違いを並べて見ておくと、求人票の読み方が変わります。
施工管理のなり方比較で、未経験から入る4つのルートを比較する
(AI逃げ切りナビ編集部)