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溶接の資格を取る順番|アークからJIS・水中溶接まで未経験7ステップ

2026 6/02
スキルを得る
2026年6月2日

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読者読者
溶接の資格を取りたいんですが、種類が多すぎて何から手をつければいいか全然わからなくて…。アーク溶接とかJIS溶接とか、順番はどうすればいいんですか?
ぽんこつ先輩ぽんこつ先輩
人材業界20年やってきた僕が、「溶接の資格を今日から5年後までにどの順で取るか」をシナリオ型でまるごと整理します。結論から言うと、7つのステップで考えるのがいちばんシンプルです。

「溶接 資格」で検索すると、種類がズラッと並んだ一覧記事ばかり出てきます。でも、「自分が今日から何を、どの順番で取ればいいか」がわかる記事はほとんどありません。

この記事は違います。未経験から溶接工に転職する、あるいは現場で資格を積み上げてキャリアアップしたいという人向けに、「今日から5年後まで何をする順番か」をステップ別にまるごと整理しました。

AI時代に溶接は消えない手に職のひとつです。溶接の現場接合判断・複雑形状への対応・水中での作業は、AIやロボットではまだ代替できない領域が多く残っています。だからこそ、今資格を取りに行く価値があります。

この記事の結論(時間ない人向け)

溶接の資格は「法定義務系→技能証明系→上位職系」の3段階に分かれます。順番を間違えると現場で使えない資格を取るだけになるので注意してください。

  • まず取る(1週間以内) — アーク溶接等特別教育(労働安全衛生法で義務・合格率ほぼ100%・学科はオンライン完結可)
  • 次に取る(入職後1〜3ヶ月) — ガス溶接技能講習(2日間・全国で受講可)
  • 3年かけて積み上げる — JIS溶接技能者評価試験(現場経験前提の実技試験・Z3801 / Z3821 / Z3841)
  • 年収アップのルート — WES認定(日本溶接協会)→溶接管理技術者・水中溶接で1,000万円超も
  • 費用を抑えるなら — ポリテクセンター(職業訓練校・受講無料・雇用保険給付で月収確保)

未経験ならまずステップ1から。すでに現場経験があるならどのステップから始めるべきか、下の構成で判断してください。

▼ ステップ1:アーク溶接特別教育を見る

📌 こんな疑問がある人は、まずこちらも読んでみてください

  • 「溶接工って実際どんな仕事?将来性はある?」→ 溶接工はAI時代に強い職人ルート|年収と将来性の全体像
  • 「溶接工に転職したいけど、未経験でいけるか不安」→ 溶接工の転職エージェントおすすめ比較|未経験から年収アップまで
  • 「実際に転職した人のリアルな声が聞きたい」→ 溶接工に未経験転職した人のリアル|30代40代の成功と落とし穴

この記事は「溶接の資格を取る順番・ロードマップ」に特化して答えます。

目次

溶接資格の「3つのカテゴリ」を先に理解する

溶接の資格を調べると、種類が多すぎてどこから手をつければいいか迷います。整理のカギは「3つのカテゴリに分ける」ことです。このカテゴリの違いを知るだけで、次に何をすべきかが一気に見えてきます。

📋 溶接資格の全体マップ(3カテゴリ)

【カテゴリ①】必須系(法律で義務・取るだけ)
アーク溶接等特別教育 / ガス溶接技能講習
→ 「受けるだけ」で修了。合格率ほぼ100%。この2つがないと現場で溶接作業に就けない
【カテゴリ②】技能証明系(現場で差がつく)
JIS溶接技能者評価試験(Z3801/Z3821/Z3841等)/ WES認定(日本溶接協会)
→ 現場経験を積んでから受験。「実際にどのレベルで溶接できるか」を証明する資格
【カテゴリ③】上位職系(年収1,000万円ルート)
水中溶接技術者 / 溶接管理技術者(WES 8103)
→ 管理職・施工計画・特殊環境。独立や高年収を狙う人の最終目標

電気工事士と違い、溶接資格には「独学で参考書を読んで合格する」という試験がほとんどありません。アーク特別教育もガス溶接も「講習を受けることで修了する制度」で、JIS評価試験は現場で実際に溶接できる技術があってはじめて受験できるものです。

ぽんこつ先輩ぽんこつ先輩
「独学でサクッと取れる」ルートがほぼないのが溶接資格の特徴です。だから競合が少ない。資格を持った溶接工の希少価値は、今後も下がりにくいんですよね。

ステップ1:アーク溶接等特別教育(最初の1週間以内に動ける)

溶接の資格取得でいちばん最初にやるべきことは、アーク溶接等特別教育を受講することです。これは労働安全衛生法第59条第3項で「アーク溶接等の業務に就く前に受けなければならない」と定められた法定の特別教育です。受けないと現場での溶接作業に就くことができません。

📋 アーク溶接等特別教育 基本情報

法的根拠
労働安全衛生法第59条第3項(特別教育)
受講時間
学科:11時間以上 / 実技:10時間以上(計21時間以上)
費用目安
全国の講習機関:12,000〜25,000円前後(機関により異なる)
合格率
ほぼ100%。「受けた人は全員修了できる」制度
有効期限
なし(一度取れば更新不要)
受験資格
なし(年齢・学歴・経験問わず誰でも受講可)

学科部分はオンラインで完結できる

アーク溶接等特別教育の大きな特徴は、学科部分(11時間以上)をオンラインで受講できる点です。SAT(現場系国家資格・特別教育をオンラインで学べる通信教育)が提供するeラーニング講座なら、スマホやPCで24時間いつでも受講できます。顔認証システムで受講確認をするため、職場の監視なしで自宅から受講できます。

実技部分(10時間以上)は職場か地元の登録機関で受ける必要があります。「学科だけオンラインで先に終わらせておく→転職先の職場で実技を受ける」という段取りが最もスムーズです。

アーク溶接特別教育の学科をオンラインで受けるなら

SAT eラーニング講座
24時間受講可・スマホ対応・修了証即日発行 ↗

学科11時間分をスマホで先に終わらせ、実技は転職先や地元の登録機関で受ける段取りがおすすめです。

学科で学ぶ4つの内容

📚 アーク溶接特別教育 学科カリキュラム

  1. アーク溶接等に関する知識(4時間以上)— 溶接の原理・電気の基礎・材料の種類
  2. 溶接装置の取扱い(3時間以上)— 溶接機・ホルダー・ケーブル・防護用具の扱い方
  3. 作業の方法(2時間以上)— 実際の溶接姿勢・電流調整・溶接棒の選び方
  4. 関係法令(2時間以上)— 労働安全衛生法・感電・アーク光・ヒュームの安全基準

「受けるだけで取れる」と言っても、内容は溶接の基礎知識として後々の現場で必ず使うものです。流し見せずにしっかり受けておくと、転職後の初期学習コストが大幅に下がります。

ステップ2:ガス溶接技能講習(2日間・入職前後どちらでも可)

アーク溶接特別教育の次に取るべきなのが、ガス溶接技能講習です。アーク溶接が電気のアークを使うのに対し、ガス溶接は酸素と可燃ガス(アセチレン等)の燃焼熱を使います。どちらも現場で使われる溶接方法で、製造業や建設業の入職時に「両方持っているか」が確認されることが多いです。

📋 ガス溶接技能講習 基本情報

受講時間
学科:8時間以上 / 実技:5時間以上(計13時間・概ね2日間)
費用目安
13,000〜20,000円前後(地域・機関により差あり)
合格率
95%以上(講習修了後の修了試験に合格することで取得)
受験資格
なし(満18歳未満は年少者労働基準規則により一部の危険有害業務に就業制限があるため、実務は18歳以上が基本)
受講場所
全国の登録教習機関(コマツ教習所・コベルコ教習所・各都道府県労働基準協会等)

アーク溶接とガス溶接の違い

🎯 アーク溶接 vs ガス溶接の使い分け

  1. 熱源が違う
    アーク溶接は電気のアーク放電で溶かす。ガス溶接は酸素+可燃ガスの燃焼熱で溶かす。現場では用途・材料によって使い分ける
  2. 対象材料が違う
    アーク溶接は鉄・ステンレスが中心。ガス溶接は鉄・銅・アルミなどに使われる。配管の切断・溶断にも使われるため、配管工場・建設現場でガス溶接の需要が高い
  3. 危険性の違い
    ガス溶接は可燃ガスを扱うため、ガス漏れ・爆発のリスクがある。そのため「特別教育」より上位の「技能講習」が必要
  4. どちらが先か
    アーク溶接特別教育を先に取り、ガス溶接技能講習を後から追加するのが一般的なルート
ぽんこつ先輩ぽんこつ先輩
ガス溶接技能講習は「修了試験」があるとはいえ、しっかり受講していれば落ちることはほとんどありません。アーク特別教育と合わせて「2つセットで持っている状態」にしてから転職活動を始めると、書類通過率が格段に上がります。

ステップ3〜4:JIS溶接技能者評価試験で現場力を証明する(入職後3ヶ月〜1年)

現場で半年以上溶接を続けていると、次のステージが見えてきます。それがJIS溶接技能者評価試験です。アーク特別教育やガス技能講習が「作業資格(持っていないと働けない)」なのに対して、JIS溶接評価試験は「技能証明(これだけの技術がある)」を示す資格です。

製造業・造船・橋梁などの企業では、JIS資格の有無が給与ランクに直結する会社が多いです。有効求人倍率2.67倍(厚労省・2024年度)という競争が激しい溶接工の採用市場で、JIS資格は頭ひとつ抜けるための差別化カードになります。

JIS溶接評価試験の主要3種類

📋 JIS溶接技能者評価試験 主要3規格

JIS Z 3801(手溶接技術検定)
被覆アーク溶接。鉄骨・橋梁・建設現場で多用される最も一般的な手溶接の規格。受験資格:基本級は実務経験1ヶ月以上から
JIS Z 3821(ステンレス鋼 溶接技術検定)
ステンレス専用。食品機械・医療機器・化学プラントなど衛生要求が高い現場向け。単価が高い案件が多い
JIS Z 3841(半自動溶接技術検定)
CO₂ / MIG溶接。製造ライン・自動車部品・造船など、現代の工場で最も需要が高い溶接種目。「半自動溶接の資格を持っているか」は転職での評価が高い

受験前に確認すべきこと

🎯 JIS溶接評価試験を受ける前に確認する4点

  1. 受験資格の実務経験年数
    基本級(BM / BF等)は1ヶ月以上の実務経験から受験可。専門級(BH等)は3ヶ月以上が必要。まずは基本級から狙う
  2. 試験は実技のみ(筆記なし)
    溶接した試験片の外観検査・曲げ試験・放射線透過試験などで合否が決まる。「知識を暗記する」試験ではなく「実際に溶接して見せる」試験
  3. 資格の有効期間は3年(更新あり)
    JIS資格は取得後3年で失効する更新制。更新は実技試験で行う。資格を維持し続けることが現場での継続評価につながる
  4. 受験機関は日本溶接協会(JWES)の認定機関
    全国に試験場があり、申込・受験・修了証発行まで一括対応。会社経由で受験する場合は会社が段取りを組んでくれることが多い

「半自動溶接の資格を持っているか」という確認は、製造業の転職面接でよく出てきます。JIS Z 3841(半自動溶接)は需要が高い種目なので、3〜5年のキャリア目標として設定する価値があります。

ステップ5:WES認定でプロとしての格を上げる

まず前提として、ここまで紹介したJIS溶接技能者評価試験も、これから紹介するWES認定も、どちらも日本溶接協会(JWES)が運営する一連の認証体系です。別々の団体が競い合っているわけではなく、同じ協会が管理する仕組みの中での位置づけの違いだと考えてください。

そのうえで、JIS評価試験が「JIS規格に合った溶接ができるか」を証明するのに対し、WES認定はその規格に基づいて溶接技能者を継続的に評価・認証していく仕組み全体を指します。実務では「JISを取って、さらにプロとしての格を上げる段階」と理解しておけば十分です。

📋 JIS評価試験とWES認定の違い

JIS溶接技能者評価試験
国際規格(JIS)に準拠した実技評価。溶接種目・試験体の形状・姿勢で細かく区分される。有効期間3年で更新。製造業・橋梁・造船の発注要件として求められることが多い
WES認定(日本溶接協会)
JWSEが独自に実施する溶接技能者認証。JISと並行して取得することで、業界内での「さらに厳しい基準をクリアした技術者」としての評価を得やすい。造船・プラント・原子力等の特殊工事で要求されることがある

WES認定は「JISを持っていて、もっとプロとしての格を上げたい」という段階で考えれば十分です。入職後3〜5年で考えるべきステップです。

ステップ6〜7:年収1,000万円ルートへ(水中溶接・溶接管理技術者)

溶接工が「手に職=生涯安定」で終わらず、年収1,000万円を超えるルートが実在します。それが水中溶接技術者と溶接管理技術者の2本柱です。

水中溶接技術者(年収1,000〜1,500万円・極端な事例)

水中溶接は、潜水士免許と溶接技術を組み合わせた特殊作業です。港湾施設・橋脚・海洋構造物・造船所のドックで水中から直接構造物を溶接します。危険度と希少性が高く、水中溶接工の年収は1,000〜1,500万円という事例もありますが、これは業界の中でも極端な上位事例です。実態としては、熟練の水中溶接士の平均年収は600〜900万円ラインが多いです。

AIやロボット溶接が進化している現代でも、水中の複雑な現場接合判断・狭所での溶接作業・潜水という身体的要素が組み合わさる水中溶接は、AI代替が最も難しい溶接領域のひとつです。造船バブル・港湾インフラ整備・防衛関連工事の増加で、今後の需要は継続して高い見通しです。

📋 水中溶接技術者になるためのルート

前提資格
溶接技能者評価試験(JIS)の取得+潜水士免許(国家資格)が両方必要
現場経験
陸上での溶接経験を十分に積んでから水中作業に移行するのが一般的。最低でも3〜5年の溶接実務が推奨される
潜水士免許
国家資格。学科試験のみ(実技試験なし)。受験資格は18歳以上。合格率60%前後
採用先
水中工事会社・造船所・港湾工事会社・海洋土木会社等

溶接管理技術者(WES 8103:管理・デスクワーク寄りの上位資格)

「現場作業から管理側に移りたい」という人向けの上位資格が溶接管理技術者(WES 8103)です。溶接工事の施工計画・品質管理・指導監督を行う技術者として認証されます。工場認定や官公庁工事の発注要件に「溶接管理技術者の常駐」が条件になっているケースがあり、企業からの需要が継続的にあります。

📋 溶接管理技術者 基本情報

資格区分
1級・2級の2段階
受験資格(2級の目安)
工業高校卒業+2年以上の溶接業務実務経験、または高専・大卒でも経験年数が必要
試験内容
筆記試験(1次)+口述試験(2次)。合格基準の目安は2級で60%以上、1級で70%以上(※試験形式・合格基準は改定されることがあるため、受験前に必ず日本溶接協会の公式情報で最新を確認してください)
年収目安
2級取得で400〜600万円、1級で600万円以上のラインが多い。大手製造業・造船・データセンター(DC)建設プロジェクトでは800万円以上の求人もある
実施機関
日本溶接協会(JWES)

データセンター建設プロジェクトでは、電気設備や冷却設備の溶接工事で溶接管理技術者が求められるケースが増えています。AI開発を支えるデータセンター建設という需要が、溶接管理技術者の市場価値をさらに押し上げています。

教育訓練給付制度・ポリテクセンターで費用を抑える方法

「資格を取りたいけど費用が気になる」という人は、公的支援をうまく活用することで大幅にコストを下げられます。特に仕事を辞めて転職活動中の人は、ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)の活用が選択肢として有効です。

ポリテクセンター(職業訓練校)の溶接コース

📋 ポリテクセンター 溶接技術科の概要

訓練期間
6ヶ月(ハローワーク経由・求職者向け公共職業訓練)
費用
受講料無料(テキスト代・消耗品代などの実費のみ・概ね1〜2万円)
生活支援
ハローワーク経由で受講指示を受けた場合、雇用保険基本手当が訓練修了まで継続受給できる可能性がある
習得内容
被覆アーク溶接・炭酸ガスアーク溶接(半自動)・TIG溶接・溶接作業安全衛生など
対象者
求職中の方。ハローワークで申し込む

教育訓練給付制度は溶接で使えるか?

一般教育訓練給付制度(ハローワーク・受講料20%給付)や特定一般教育訓練給付制度は、溶接系の資格・技能講習に対応している講習機関が一部あります。ただし、アーク溶接特別教育やガス溶接技能講習は「法定講習」として都度実施されるものが多く、給付制度の対象になっているケースとそうでないケースがあります。

受講前にハローワークに問い合わせて、対象かどうかを確認するのがベストです。SAT(現場系国家資格をオンラインで学べる通信教育)の溶接関連講座については、人材開発支援助成金(在職中・会社経由で費用の45%補助)が適用できる場合もあるため、在職中に受講する人は会社に確認してみてください。

💡 費用を抑える3つの選択肢

  • 在職中に受講するなら — SATのeラーニング(会社経由で人材開発支援助成金45%対応の可能性あり)
  • 転職前に受講するなら — ハローワーク経由でポリテクセンター(無料・雇用保険継続で生活支援も)
  • すぐに安く取るなら — 地元の登録教習機関(2日間・13,000〜20,000円)が最速・最安

溶接資格ロードマップ:今日から5年後の全体像

ここまでのステップを「未経験から5年間のロードマップ」として整理します。全部一気にやる必要はありません。現在地を確認して、次の1ステップだけ考えてください。

🗓️ 溶接資格ロードマップ(未経験から5年)

今日〜1週間以内
アーク溶接等特別教育の学科をSATのeラーニングで申し込む(もしくは地元の登録機関で2日間コースを予約)
入職前・転職活動中
アーク溶接特別教育(学科のみ)完了 → 入職後に実技受講。ガス溶接技能講習を受ける(2日間・地元の講習機関)
入職後1〜3ヶ月
実際の溶接作業で基礎技術を習得。アーク溶接特別教育の実技を完了(職場または地元機関)
入職後3ヶ月〜1年
JIS溶接技能者評価試験(基本級)への挑戦。Z3801(手溶接)またはZ3841(半自動溶接)から始めるのが一般的
2〜3年後
JIS専門級・上位区分へのステップアップ。WES認定の取得。造船・データセンター建設など高単価現場への転職を検討
5年後〜
溶接管理技術者(WES 8103)の受験資格を取得。あるいは水中溶接(潜水士免許の取得)へのキャリアシフト
ぽんこつ先輩ぽんこつ先輩
このロードマップ、全部終えるのは5年かかります。でも1週間でできるステップ1から始めれば、転職活動でアーク特別教育を持っている状態で臨めます。書類選考で差が出る。それだけでも動く価値がありますよ。

溶接とAI代替:なぜ今資格を取る価値があるのか

「AIで仕事が奪われる不安」を持っている人にとって、溶接工はどう映るでしょうか。正直に整理します。

産業用ロボット溶接の普及は確かに進んでいます。自動車の量産ラインでは、すでにロボットが溶接作業を担う割合が高くなっています。これは否定できない事実です。

しかし、ロボット溶接が苦手とする領域が依然として大きく残っています。複雑な形状への対応・現場での接合判断・狭所作業・大型構造物(造船・橋梁・タンク)の溶接は、人間の五感と経験が不可欠です。特に水中溶接・特殊鋼・熟練が求められる高品質溶接は、AI代替が最も遅れる領域です。

さらに、AI開発を支えるデータセンターの建設需要が急拡大しています。サーバー冷却設備・電源設備・鉄骨構造の溶接工事では、熟練溶接工の需要が高い状態が続いています。米海軍が公表した溶接工17万4千人不足(USNI・GAO-25-106286)のような世界規模の需給逼迫は、AIが普及する時代に逆行するように溶接工の市場価値を押し上げています。

「資格を持った溶接工」の希少性は、ロボットが普及するほど高まる側面があります。ロボットを管理・メンテナンスする人間の溶接技術者が必要になるからです。資格を積み上げることは、AI時代において「代替不可な人材」になるための現実的な選択肢です。

よくある質問(FAQ)

💬

読者のリアルな疑問、ここで全部答えます

「JIS溶接は独学できる?」「アーク溶接はオンラインだけでOK?」「半自動溶接が一番需要があるのは本当?」など、溶接の資格取得を考える人が必ず引っかかる疑問を、ぽんこつ先輩(人材業界20年)が現場目線で全部答えていきます。

ぽんこつ先輩ぽんこつ先輩
ここまで読んでまだ不安が残っている人、よくある質問で潰しておきましょう。僕が普段「相談者から一番聞かれること」を5問にまとめました。気になるところだけ拾い読みでOKです。

Q1:JIS溶接評価試験は独学で合格できますか?

JIS溶接評価試験は「実技試験のみ」です。筆記試験はありません。参考書を読んで「知識を入れる」という独学は意味がなく、実際に溶接ができる技術を身につけることが合否の全てです。

したがって、「独学で合格する」という表現は少し正確ではなく、「現場で十分に溶接経験を積んで受験する」が正しい表現になります。職場の先輩から直接指導を受けながら技術を磨き、受験基準の実務経験年数を満たしてから挑戦するのが現実的なルートです。

Q2:アーク溶接特別教育はオンラインだけで完結できますか?

学科部分(11時間以上)はオンラインで完結できます。ただし、実技部分(10時間以上)は現場・職場・地元の登録講習機関で受ける必要があります。「完全オンライン完結」は現時点ではできません。

実践的な段取りとしては、「学科だけSATのeラーニングで先に終わらせておく」→「転職後の職場で実技を受ける」が最もスムーズです。転職前に学科だけ完了させておけば、内定後の手続きがシンプルになります。

Q3:半自動溶接(CO₂溶接)が一番需要があると聞きましたが本当ですか?

需要という観点では、概ね正しいです。CO₂アーク溶接(半自動溶接)は、自動車部品・建設資材・造船・製造ラインなどの幅広い用途で使われており、溶接全体の作業量でいうと最も多い工法です。

JIS Z 3841(半自動溶接)の資格は、転職市場での評価が特に高いです。「半自動溶接の資格を持っている」という状態で転職活動をすると、製造業・造船の面接で確実に評価されます。手溶接(Z3801)との組み合わせで持っておくのが理想的です。

Q4:ガス溶接技能講習を取ってから転職した方がいいですか?それともアークだけで先に応募して大丈夫?

「アーク溶接特別教育だけ」の状態で応募しても、未経験歓迎求人であれば通過するケースは多いです。ただし、ガス溶接技能講習も持っていると「ひとつ多く取っている」という評価になるので、2〜3週間の差なら両方取ってから応募する方が有利です。

特に、製造業・配管工事・ガス設備系の現場を志望している場合はガス溶接の需要が高いです。応募前に求人票の「必須・歓迎スキル」を確認して、ガス溶接が記載されている求人であれば取ってから応募するのが賢明です。

Q5:JIS資格を取った後、転職市場での評価はどう変わりますか?

JIS資格の取得後は、転職先の選択肢と年収の上限が大きく変わります。JIS資格なしの溶接工の年収目安は300〜380万円ラインが多いのに対して、JIS基本級(1〜2種目)を持っていると380〜450万円、JIS専門級・上位区分まで取得できると450〜600万円のゾーンが視野に入ってきます。

特に造船・橋梁・データセンター建設など、品質要求が高い現場では「JIS何区分持っているか」が給与テーブルに直接反映されることがあります。「資格を積み上げるほど年収が上がる」という仕組みが明確な職種なので、資格の取得計画を立てて計画的に動く価値があります。

まとめ:今日動けるところから始める

溶接の資格取得には「今日から5年間のロードマップ」があります。でも、全部を一気に考えなくていい。

まず今日できることは、アーク溶接等特別教育の学科受講を申し込むことです。SATのeラーニングなら今夜からでも始められます。それだけで転職活動の書類選考に「アーク溶接等特別教育修了(学科)」と書けるようになります。

📝 溶接資格ロードマップ まとめ

  • 今日〜1週間 — アーク溶接等特別教育(学科)を申し込む・受講開始
  • 入職前後 — ガス溶接技能講習(2日間)を受ける
  • 入職3ヶ月〜1年後 — JIS溶接技能者評価試験(基本級)に挑戦する
  • 3〜5年後 — WES認定・溶接管理技術者・水中溶接で年収上限を上げる
  • 費用を抑えたい — ポリテクセンター(無料)・人材開発支援助成金(在職中45%補助)を活用

「溶接の資格一覧を知っている」人と「次のステップが明確に決まっている」人では、1年後にまったく違う結果が出ます。資格の一覧を眺めて満足して終わるのは、もったいないです。

🗓️ シンプルなアクションプラン

  • 今日中にできること:SATのeラーニングサイトでアーク溶接特別教育の詳細を確認する(登録・受講は無料で開始できる)
  • 今週中にできること:地元のハローワークもしくは登録講習機関で、ガス溶接技能講習の日程を調べる
  • 転職活動中にできること:アーク溶接・ガス溶接の2つを取得した状態で求人に応募する。書類選考の通過率が上がる
  • 入職後3ヶ月〜1年後:職場の先輩に相談しながら、JIS溶接評価試験(基本級)の受験タイミングを決める
ぽんこつ先輩ぽんこつ先輩
全部一気にやる必要はありません。今日、「SATのサイトを開く」だけでもいい。動き出すことが一番大事です。1つだけやってみてください。

転職と資格取得を同時進行するなら

「資格を取りながら転職活動も進めたい」という人も多いです。資格取得と転職活動は並行して進めるのが現実的です。アーク溶接特別教育の学科だけでも修了している状態で転職サービスに登録すると、キャリアアドバイザーへの相談内容が「資格を取りながら転職を進めている」という前向きな話になります。

⚡ 溶接工への転職・次のステップはこちら

  • 溶接工の転職エージェントおすすめ比較|未経験から年収アップまで — 資格取得と同時進行で転職活動を進めるなら、転職サービスの選び方はこちら
  • 溶接工に未経験転職した人のリアル|30代40代の成功と落とし穴 — 実際に転職した人の体験談。失敗パターンと成功の共通点
  • 溶接工はAI時代に強い職人ルート|年収と将来性の全体像 — 造船バブル・データセンター建設・防衛需要の3バブル同時着火の背景データ

資格取得と転職相談、両方を今日から動かす

アーク溶接特別教育の学科はオンラインで今日から始められます。転職サービスへの登録も無料・5分で終わります。どちらも「まず情報収集だけ」でOKです。

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📖 もっと深く知りたい人へ・関連記事

溶接工のキャリア・転職・年収に関する情報は、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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この記事を書いた人

ぽんこつ先輩のアバター ぽんこつ先輩

人材業界で20年働いてるおっさん。AIの進化にビビりながらも、負けじと足掻いてる側の人間。同じ不安を抱えてる仲間と一緒に生き残るためにこのブログを始めた。

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ぽんこつ先輩
人材業界で10年働いてるおっさん。AIの進化にビビりながらも、負けじと足掻いてる側の人間。同じ不安を抱えてる仲間と一緒に生き残るためにこのブログを始めた。
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