「第二新卒で転職したら、年収どうなるんやろ」。これ、第二新卒で動こうとしてる20代が一番気になるところやと思います。人材業界10年・採用支援屋のぽんこつ先輩です。
結論から先に。第二新卒の転職は、平均で見ると年収はわずかに上がってる傾向です(doda 2025年度上期データ)。ただし「上がる人」と「下がる人」がハッキリ分かれる構造で、分岐点は採用支援10年の現場で見てきた感覚で言うと4つ。今日はそこを採用担当者目線でぶった切ります。AI時代に伸びる職種の年収レンジも一緒に出します。
第二新卒の年収相場:まずデータで現在地を確認
まず数字を置きます。国税庁「民間給与実態統計調査」の直近データによると、年代別の平均年収はだいたいこのあたり。
- 20〜24歳の平均年収:約258〜282万円(男女差あり)
- 25〜29歳の平均年収:約370万円
第二新卒のメインゾーン(22〜26歳)の年収相場はだいたい270〜350万円。「思ったより低いやんけ」って思った人、正直なリアクションです。日本の20代の現実。ぼくも新卒のときの給与明細見て絶望した記憶、まだ残ってます。
転職後の動きはどうかというと、doda「年代別転職時の年収変動レポート 2025年度上期版」では、20代転職者の転職前後年収は平均+5%増。2019年度比で20代の決定年収は+13%伸びてます。「第二新卒は年収が下がる」って言い切る記事、もう2026年の現実とズレてます。
+5%って何万円よ、って話ですが、ベース270万なら13万円。焼肉3〜4回分。まあ下がってないだけマシ、というレベルではあります。ただし、これは「平均」の話。上がる人もいれば下がる人もいる。どっちのコースに乗るかは、これから話す4つの分岐で決まります。
採用担当者はオファー年収をどう決めているか
採用支援10年で何百回もオファー設計の現場に立ち会ってきましたが、第二新卒のオファー年収って、実は3つの基準でほぼ決まってます。プレスリリースには書いてくれないやつです。
- 前職年収+αのベースライン:採用側はまず前職年収を見て、そこに+5〜15%乗せたラインを「相場ベース」として組みます。これが起点
- 即戦力ポテンシャル評価:志望動機の解像度・業界研究の深さ・スキルの再現性。ここが高いと「ベース+上振れ」で提示が出る
- 他社オファー状況:複数オファーを持ってる候補者は競争原理で提示が上がる。逆に1社しか受けてない人は「最低ライン」で確定する
つまり、前職給与・面接の解像度・複数オファー、この3つの掛け算でオファー年収が決まる。これを知らずに動くと、本来もらえるはずだった50〜100万円を、自分から放棄してることになります。もったいない。
第二新卒の年収「上がる人/下がる人」4つの分岐点
採用支援の現場で見てきた「年収が上がる第二新卒」と「下がる第二新卒」の差は、運でも才能でもありません。具体的な4つの分岐点に集約できます。
分岐①:スキルの「横展開」を言語化できているか
第二新卒は「未経験」と思われがちですが、1〜3年でも業務経験はちゃんとある。問題は、それを次の職種で使える形に言語化できているかどうか。
たとえば「小売販売の経験」を「B2B営業」に持っていく場合、「接客が好き」じゃなく「顧客の購買意思決定構造を読む力」「初対面で信頼を作る対話設計」と言語化できる人は、未経験ポジションでも+50〜80万のオファーが出ることが普通にあります。
逆に「やる気はあります」「ゼロから頑張ります」しか言えない人は、新卒ベースの最低ラインで確定。同じ前職でも、語り方ひとつでオファーが100万違うのがリアルです。
分岐②:業界の給与水準が「上の場所」を選んでいるか
これ、見落とされがちですが超重要。同じスキル・同じ年齢でも、業界の天井が違うと年収レンジが100〜200万違います。
doda業種別平均年収で見ると、コンサル505万・金融500万・IT/通信466万・メーカー492万。一方で人材・サービス系は400万を切るゾーン。第二新卒で給与水準の高い業界に移れた人は、それだけで30〜80万のアドバンテージが乗ります。
注意点は「業界も職種も両方変える」と未経験度が2倍になって不利になりがちなこと。業界か職種か、どちらか1つだけ変えるのが年収アップの王道です。
分岐③:志望動機の「解像度」が高いか
採用担当者が一番見てるのが、ここ。「なんで御社か」を、自社の事業課題・サービス・最近のリリース等を踏まえて1〜2分で語れるか。
「成長できる環境に魅力を感じて」「貴社の理念に共感して」レベルだと、ベースラインオファー。「貴社の◯◯事業の××という課題に、前職で得た△△の経験で貢献したい」まで踏み込めると、即戦力ライン(=ベース+10〜20%)で提示が出ます。
これ、業界研究を1〜2週間ちゃんとやれば誰でも到達できるラインです。やってないだけで何十万も置いてくる人、多すぎる。
分岐④:複数オファーを持って交渉しているか
採用支援の現場で痛感する事実。1社しか受けてない人と、3〜5社の内定を持って交渉してる人では、最終オファーが平均50〜100万円違います。
採用側は「他社オファーがある」と知った瞬間、提示を上方修正する。これ、ビジネスとして当然の動き。逆に「ここしか受けてません」だと、最低ラインでも候補者は受け入れざるを得ないので、当然提示は最低圏になります。
第二新卒で動くなら、本命1社+競合2〜3社を必ず並走させる。これだけで年収50〜100万円のリターン差です。就活と同じノリで「第一志望1本!」やってると、損します。
AI時代に伸びる職種:第二新卒で狙える年収レンジ
2026年時点で第二新卒が狙えるAI関連職の年収レンジを出しときます。以下、採用支援の現場で実際に求人票を見てきた肌感のレンジです(公的統計ではなく、取引先企業の求人票から見える参考値として)。
- AIマーケター(生成AI活用型):第二新卒スタートで300〜400万、3年後600万圏が一つの目安。生成AI使えるマーケ人材は希少で需要急増中
- データアナリスト:第二新卒は300〜380万スタート、3年で500〜600万のキャリアパス。経験積めば700万台も視野
- AI導入コンサル・DX推進担当:事業会社の社内DX担当で350〜450万スタート。前職の業務知識×AIリテラシーで戦える
- AIソリューション営業:前職営業経験を活かして350〜500万スタート。コミッション込みで上振れあり
面白いのは、これらの職種の多くが「未経験OK」枠を持ってること。中堅社員のAIリテラシーが低いままで、企業側が若手にAI活用を期待してる構造があるからです。第二新卒でAI関連職に飛び込むのは、2026年の今がたぶん最後のチャンス。3〜5年後にはAIリテラシーが「持ってて当たり前」になって、市場の窓は閉じていきます。
ちなみに、ぼくも採用支援の現場で取引先のDX推進職求人を見るたびに「第二新卒のころに戻ってこの枠に飛び込みたかった」って真剣に思います。遅い。今やってる仕事もまあ嫌いじゃないですけど。
動く前にやるべき3つと、市場価値を測る最初の一歩
長くなったので、第二新卒で年収を上げるために今日中にやってほしい3つに絞ります。
- 前職スキルの「横展開ストーリー」を3つ用意する:抽象的な能力名じゃなく、具体的な業務経験を次の職種で再現できる形で言語化
- 志望業界を3〜5個に絞り、各社の最新ニュースを2〜3個ずつ調べる:志望動機の解像度はここで決まる
- 転職エージェントを必ず2社以上並走させる:オファー比較ができる構造を最初から作る
まず市場価値を測るところから始めたい人は、リクルートエージェント・dodaあたりの20代に強い総合型に登録して、面談で「自分の市場ベースはどれくらいか」を率直に聞いてみるのが最初の一歩。両社とも求人保有数が多く、第二新卒向けサポート枠も用意されてるので、まず話を聞くだけなら無料で完結します。転職するかどうかは後で決めればいい。まずは自分の市場価値を知るだけ。同じ第二新卒の人めっちゃ多いので、エージェント側も慣れてます。
怖いと感じてるうちは、まだ間に合う
「年収下がるかも」って怖がってる時点で、あなたはちゃんとキャリアを考えてる側の人です。本当にヤバいのは、何も考えずに「とりあえず転職」「とりあえず残留」って動く人。
4つの分岐点を意識して動けば、第二新卒の転職で年収が上がる確率はかなり高いです。AI時代の窓も、いま開いてる。あとは動くか動かないか。怖いと感じてるうちは、まだ間に合います。同じ不安を抱えてるあなたの仲間です。一緒に生き残りましょう。
