もう、明日から行きたくない。連絡もせず、このまま消えてしまいたい。いわゆる「バックレ」。——その一歩手前で、この記事にたどり着いたあなたへ。30代後半・人材業界10年・絶賛AI失業ビビり中のぽんこつ先輩です。
先に言っておきます。バックレたい気持ちは、よくわかります。実は俺自身、数年前、限界だった会社で、本気でバックレを考えました。でも、調べていくうちに「これはマズい」と気づいて、結局やめた。代わりに退職代行を使って辞めました。今日は、バックレると退職金や離職票がどうなるのか、そしてなぜ俺がバックレをやめたのかを、正直に書きます。今まさに「もう行きたくない」と思ってる人は、5分だけ付き合ってください。
結論:バックレは「無料」じゃない。同じゴールを、リスクなしで叶える方法がある
結論からいきます。バックレ——無断欠勤のまま会社を辞めること自体は、できます。でも、それはタダじゃない。退職金が減ったり消えたり、最悪は懲戒解雇になって、失業給付の受け取りが大きく遅れる。請求されるケースは少ないとはいえ、損害賠償の話もゼロじゃない。バックレは「無料で逃げる」じゃなく、「ツケを後払いで逃げる」なんですよ。
そして、ここが大事。あなたがバックレで本当に欲しいのは「明日から、もうあの会社に行かない」という結果のはずです。それ、退職代行でも同じように手に入ります。退職代行も、申し込んだその日から出社しなくていい。違うのは、退職代行は正式な退職届を出すので、退職金も離職票も損害賠償も、バックレみたいなトラブルにならないこと。この記事は、その違いを具体的に説明していきます。
バックレると、退職金はどうなる
まず退職金から。結論、バックレると退職金が減るか、消えることがあります。ただし、会社による。
そもそも退職金は、法律で支払いが義務づけられたものじゃありません。会社の就業規則や退職金規程に「払う」と書いてある場合だけ、支払い義務が生まれます。だから退職金規程がない会社なら、バックレようが正式に辞めようが、もともと出ない。これは関係なし。
問題は、退職金規程がある会社です。多くの会社の規程には「懲戒解雇のときは退職金を不支給または減額する」と書かれています。後で説明しますが、バックレを続けると懲戒解雇になることがある。そうなると、この条項が発動して、退職金が合法的に消える、ということが起こりえます。
ひとつ補足。裁判例では、長く勤めた人の退職金を「バックレた」というだけで全額ゼロにするのは、簡単には認められない、という判断もあります。退職金には「給料の後払い」という性質があるからです。とはいえ、争うには労力がいる。わざわざバックレて、自分の退職金を法廷で取り返す羽目になる。これ、どう考えても割に合わないですよね。
「バックレたら損害賠償」は本当か
次に、いちばん怖がられてる「損害賠償」。結論、一般的なバックレで損害賠償を請求されることは、実際にはあまりありません。ただし、ゼロとも言い切れない。順番に説明します。
会社が辞めた人に損害賠償を請求するには、「あなたがバックレたことで、こういう具体的な損害が出た」と立証しないといけません。これがけっこう難しい。「人が1人減って大変だった」程度では、まず通らない。代わりの人で業務が回る職種——たとえば飲食や小売の一般スタッフなら、会社が請求しても勝てる見込みが薄いので、たいてい動きません。
ただ、有名な判例がひとつあります。あるプログラマーが、入社7年目に連絡先を消して失踪、引き継ぎゼロのまま競合他社に移った。この件で、裁判所は約480万円の賠償を認めました。「バックレ=480万」とビビらせる記事もありますが、よく見てください。これは「IT専門職」「7年勤続」「引き継ぎ完全ゼロ」「競合に即転職」という、かなり特殊な条件が全部そろったケースです。あなたが入社1〜2年の一般職なら、この判例はそのまま当てはまりません。
とはいえ、専門職で、重要な仕事を抱えてて、引き継ぎゼロで消えるなら、リスクは上がる。「ほぼ起きない、でも条件次第ではある」。これがバックレと損害賠償の正確なところです。
見落としがちなのが、失業給付へのダメージ
退職金でも損害賠償でもなく、バックレで多くの人に実害が出るのが、これです。離職票と、失業給付。
バックレて無断欠勤が続くと、就業規則の規定によっては、会社はあなたを懲戒解雇にできます。期間の目安として2週間程度を定めている会社が多いとされますが、これは会社ごとに違います。そして懲戒解雇になると、その理由が離職票に記録される。ハローワークがそれを「本人の重大な落ち度による解雇(重責解雇)」と判断すると、失業給付の面で不利な扱いを受けます。
退職代行などで普通に自己都合退職した場合、失業給付をもらえるまでの待ち期間(給付制限)は、2025年4月の改正で短くなって、原則1ヶ月ほどになりました。手続きすれば、比較的早く受け取れます。
ところが、バックレて懲戒解雇になり、それが「重責解雇」と判断されると話が変わります。自己都合よりも失業給付の扱いが重くなって、受け取り始めが遅れたり、受け取れる日数や総額が減ったりする可能性がある。正確な扱いはハローワークの判断によるので、ここで「何ヶ月遅れる」と断言はしません。ただ、はっきり言えるのは——自己都合でスッと辞めるより、明らかに損な側に振れる、ということです。気になる人は、管轄のハローワークで確認してみてください。
しかも、この「重責解雇」が記録された離職票は、次の転職の手続きで使う書類でもあります。バックレの「ツケ」は、お金の面でも、次のキャリアの面でも、いちばんしんどいタイミングにまとめて届く。明日サボる代わりに、少し先の自分が、無収入の不安と一緒に請求書を受け取る。それが、バックレの正体です。
俺がバックレを考えて、やめた理由
俺の話をします。数年前、限界だった会社で、俺は本気でバックレを考えてました。もう、明日の朝あの場所に行くくらいなら、全部投げ出して消えたい。そういう精神状態でした。
で、バックレる前に、一応「バックレ どうなる」で調べたんですよ。そこで、今あなたに書いてることを、ひととおり知った。離職票、懲戒解雇、失業給付への影響。正直、退職金や損害賠償より、俺の足を止めたのは別のことでした。
バックレて連絡を絶つと、会社は俺の安否を確認しようとして、緊急連絡先に電話します。俺の緊急連絡先は、実家でした。つまり、バックレた数日後、実家の親に会社から電話がいく。「息子さん、連絡が取れないんですが」と。——それを想像したとき、無理だ、と思いました。会社から逃げたいだけなのに、親まで巻き込んで、心配させて、説明させて。逃げたいのに、逃げた先で増える面倒のほうが多い。
そこで気づいたんです。俺が欲しいのは「明日から行かない」だけだ。なら、明日から行かなくて済んで、しかも親に電話がいかない方法を選べばいい。それが退職代行でした。バックレと退職代行は、目的地が同じなんですよ。違うのは、途中で踏む地雷の数だけ。
バックレと退職代行は「明日から出社しない」が同じ
ここ、誤解されがちなので、ハッキリ書きます。退職代行は「ちゃんと手続きして、円満に、時間をかけて辞める」ものじゃありません。バックレと同じで、申し込んだその日から、もう会社に行かなくていいんです。
違いを並べます。
- 明日から出社しない:バックレも退職代行も、同じ。ここは変わりません
- 上司と話すか:どちらも、話さなくていい
- 退職金:バックレ=懲戒解雇で不支給リスク/退職代行=通常退職で規程どおり
- 離職票・失業給付:バックレ=重責解雇で受給が大きく不利になるリスク/退職代行=自己都合扱いで給付制限は約1ヶ月
- 損害賠償:バックレ=条件次第でリスクあり/退職代行=正式な手続きなのでリスクは大きく下がる
- 親への連絡:バックレ=緊急連絡先に電話がいく/退職代行=業者が「本人・家族へ連絡しないで」と通告
見てのとおりです。「明日から行かない」と「上司と話さない」は全部同じ。退職代行は、バックレで欲しかったものを全部くれて、バックレの地雷だけを外してくれる。退職代行が「正式な退職届を会社に出す」という、たった一つの違いだけで、これだけ結果が変わります。
バックレと退職代行、よくある質問
Q. もう何日か無断欠勤してしまいました。今からでも退職代行は使えますか?
使えます。むしろ早く使ったほうがいいです。無断欠勤の状態を放置するほど、懲戒解雇に近づきます。今からでも退職代行を入れて、正式な退職手続きに切り替えれば、「無断欠勤からの懲戒解雇」ルートを止められる可能性があります。すでに数日休んでしまった人ほど、バックレを続けるより、今すぐ手を打つ意味が大きいです。
Q. 退職代行を使っても、有給が残ってないと欠勤扱いになりませんか?
有給が残っていれば、退職日までを有給消化にあてて、出社せずに辞められます。有給が足りない分は欠勤扱いになることもありますが、それは「退職日までの届け出済みの欠勤」であって、バックレの「無断欠勤」とは扱いが全然違います。懲戒解雇にはなりません。ここが、バックレとの決定的な差です。
Q. 会社に「損害賠償する」と脅されています。バックレたら本当に払うことになりますか?
「損害賠償するぞ」は、辞めさせないための脅し文句として使われることが多く、実際に請求が通るのは限られたケースだけです。とはいえ、バックレで無断欠勤を続けると、会社に「損害が出た」と主張する材料を与えてしまう。正式な退職手続きを踏めば、会社が賠償を主張する材料は、ぐっと少なくなります。脅されているなら、なおさらバックレずに、退職代行で正式に辞めるのが安全です。
Q. うちは退職金がない会社です。それならバックレてもいいのでは?
退職金がなくても、バックレのリスクは退職金だけじゃありません。離職票の「重責解雇」記載で失業給付が遅れる、親に電話がいく、私物が宙に浮く、源泉徴収票のやり取りでもめる。退職金がない会社でも、これらは全部発生します。「退職金がない=バックレし得」ではないんです。
もう限界なら、リスクの低いほうを選べばいい
バックレ自体は、できます。でもそれは無料じゃない。退職金が消えるかもしれないし、懲戒解雇で離職票に傷がつけば、失業給付の受け取りが不利になる。連絡を絶てば、親にまで電話がいく。バックレは「いま」を逃げる代わりに、「少し先」の自分にツケを全部回す行為です。
でも、あなたが本当に欲しい「明日から、もう行かない」は、リスクを背負わなくても手に入ります。退職代行を使えば、明日から出社せず、上司とも話さず、それでいて正式な退職として処理される。バックレで欲しかったものだけを取って、地雷を踏まずに済む。同じゴールなら、リスクの低い道を通ったほうがいい。それだけの話です。
退職代行は業者のタイプで対応の質が変わります。すでに無断欠勤してしまっている人や、損害賠償の脅しを受けている人は、弁護士か労働組合が運営する、会社との交渉まで任せられるタイプを選んでください。実際に使った経験から選んだ本当に使える退職代行ランキングを置いておくので、バックレてしまう前に、ここだけは見ておいてください。
「もう限界だ」と感じてるうちは、まだ間に合います。投げ出すんじゃなく、いちばん損の少ないドアから出ましょう。一緒に、抜け出しましょう。
― ぽんこつ先輩
